月を笠に着て遊ばゞや旅のそら

 


我が家の主の言葉

 1753年(宝暦三年)10月14日、長門国豊浦郡田耕村(下関市豊北町田耕)に、長府藩士田上由永(たがみよしなが)の長女として生まれた田上菊舎(本名・道)は、16歳で近くの村田利之助のもとに嫁ぐが、24歳で夫と死別。

 

 26歳のときに俳号を「菊車」とし、長府に出て田上家に復帰する。29歳で萩に赴き得度し俳諧の旅に出る。30歳のとき美濃の朝暮園傘狂の門下となり、単身「おくのほそ道」の逆の行程を辿る行脚に出る。その後しばらく江戸に滞在し、31歳のときに「菊舎」に改号。

 

 その後京都・大阪・九州など各地を巡り、俳諧・茶道・七弦琴・漢詩などの修行を重ね、60歳の記念に「手折菊」(全四巻)を著す。その後も生誕地田耕を含め各地で俳諧興行をし、1826年(文政九年)に74歳の生涯を閉じる。

 

 以上が田上菊舎の簡単な略歴です。同時代にはかの有名な小林一茶がいます。一茶は1763年(宝暦十三年)に生まれ、1827(文政十年)年に没しています。菊舎よりも10年遅く生まれ、菊舎没後すぐに亡くなっています。ほとんど同時代を生き、同じ俳諧の道を歩みながら、二人に接点は無かったようです。

 

 菊舎と生誕地を同じくする私は、数年前より「菊舎の里」というホームページを作り、菊舎を世に広めるべく、微力ながら彼女の顕彰を行ってきました。またFace bookでも「江戸俳句Haiku poet Tagami Kikusya」で彼女の句を紹介もしております。お陰様でこれまでに菊舎を研究している二人の外国の女性と知り合うことができました。お二人ともそれぞれアメリカの大学で菊舎の研究をされていますし、何度か来日され、菊舎の里も訪れてくださいました。

 

 一茶ほどではないにしろ、田上菊舎という江戸時代後期の女性俳人を世界中に知って欲しいとの思いで現在も発信を続けておりますが、「菊舎の里」の容量が少なくなってまいりましたので、この度「菊舎の空」を新たに作成し、「菊舎の里」の姉妹編として発信することにいたしました。当然「菊舎の里」も御覧いただけます。どうかこれからも田上菊舎と「菊舎の里」・「菊舎の空」をよろしくお願い申し上げます。

 

 (ほとんどの写真は拡大表示することができます。)



菊舎の里 地図

菊舎の里寸景


 

          関連サイト: 菊舎の里 http://taorigiku.jimdo

                 江戸俳句  Haiku poet Tagami Kikusya

                         菊舎顕彰会